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密着!マラソン大会の音づくり

秋晴れで迎えた11月19日。神戸の中心地、三宮では「神戸マラソン2023」が幕開けを迎え、出走を控える2万人のランナーたちがそれぞれ緊張や期待、不安の面持ちでスタートを待っています。
この舞台裏でマラソン大会の成功を願い、奔走しているのが私たちTOA。大会を音で支え、感動の瞬間を彩る役割を担っています。今回のオトノハナシでは、事前準備を含めた3日間、普段は裏方として活躍しているTOAの音響チームに密着しました。

TOAの音響チーム


大会開催一週間前

24連結のホーンアレイスピーカー、中型ホーンアレイスピーカー、ラインアレイスピーカー typeCとサブウーハー、コンパクトアレイスピーカー HXシリーズ
デジタルプロセッサーやイコライザーで音のボリュームや高さ、指向性を事前に一台ずつ設定。ホーンアレイスピーカーは、ラインアレイ効果を最大限に引き出せるように、音の加算と減算を利用しながら、音を届けたいエリア、音が届いてほしくないエリアをコントロールします。


大会前日

・9:00

機材とクレーンが到着し、スピーカーたちが一斉にクレーンの下に集まります。そんな中、突如大雨が降り、作業は一時中断。

・10:00

雨も止み、作業再開。事前に結線作業を終えているホーンアレイスピーカーたちは順番にクレーンに吊り上げられていきます。
24連結が完成すると、クレーンで微調整しながら全体の角度を整えます。事前に設計した通りに音が届けられるよう慎重に。

同時に、24連結ホーンアレイスピーカーの真下には、やぐらが組まれました。綿密なシミュレーションに基づき、音が足りないエリアを補完するための中型ホーンアレイスピーカーが取り付けられます。

・16:00

サウンドチェックがスタート。エリアごとに音の聴こえ方を騒音計でチェックし、細かい調整を行います。


大会当日

・7:00

時間帯や天候によって聴こえ方が変わる性質を持つ「音」。当日の気温や風速に合わせて再度微調整が行われ、サウンドチェックが始まります。離れた場所での聴こえ方を手分けして確認し、ランナーの皆さんがどこにいても音を聴き取れるように配慮します。

ランナーの誘導にも、TOAのメガホンが活躍しています

・8:45

出走前に行われるスタートセレモニーでは、ランナーの皆さんが黄色い手袋を着用した両手を高く掲げ、震災復興の象徴でもある”ひまわり”を咲かせます。手の挙がり具合で最後尾のランナーにまで音が届いているのかチェックしています。

・9:00

ついに出走。スタートの号砲がスピーカーを通じてランナーたちの耳に届きます。TOAの音響チームは、皆さんのご武運を祈りながら、無事に音が届いたことを確認します。

・9:30

スタートしてからも音のお仕事はまだまだ続きます。スタート地点からはランナーに熱い応援を送る大会ゲストの声が届けられ、ゲストの声の大きさに合わせて音量を調整します。

・10:00~
スタート地点では道路の規制解除が迫り、一気に撤収作業に入ります。もちろん、マラソンコースのあちこちやゴール地点にもTOAが。大会を盛り上げランナーの皆さんを後押しする応援の声やBGMを届けています。

いかがでしたでしょうか。
音には「こうなれば正解」という明確な答えがなく、それぞれの瞬間において場面に合った微細な調整が必要となります。TOAの音響チームは目を凝らし、耳を傾けながら、ランナーの皆さんが気持ちよく走り抜けられ、応援の妨げにならないような聴こえ方を追求しています。今回の大会は無事に終了しましたが、イベントの一体感を生み出し、聴く人に優しい音づくりのために、これからもTOAの挑戦は続きます。

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