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ハウリングを防ぐには?

ハウリングはなぜ起こる?原因と正しい対処法のお話

体育館や会議室、イベント会場でマイクを使用した際、「キーン」「ボーン」といった、大きな音を聞いたことはありませんか?

あの耳を覆いたくなる音は、「ハウリング」と呼ばれています。大抵はマイクやスピーカーの音量を調整するとやがて聞こえなくなるのですが、あの音は一体どのような仕組みで引き起こされているのでしょうか?

今回は身近で体験しているものの、そのメカニズムが分かりにくいハウリングについて探っていきましょう。


ハウリングはなぜ発生する?

耳障りなハウリングの音が発生する大きな原因は、マイクとアンプ、スピーカーの関係にあります。

私たちがマイクを使った際、マイクが私たちの声を拾い、アンプがこれを電気的に増幅してスピーカーから拡声します。

ただし、会議室やカラオケボックス、コンサートホールなどで、マイクとスピーカーが一緒の空間にある場合、機材の使い方や置き方によって、スピーカーから発せられた音を再びマイクが拾い、それをアンプが増幅して・・・というループ状態が発生することがあります。こうして音がループされる中で、どんどんと増幅され続けることで、ハウリングの耳障りな音が発生してしまうのです。


ハウリングには発生しやすい周波数がある

その条件としてはおおよそ下記のようなものが挙げられます。

■複数のマイクを同時に使用している
■マイクとスピーカーの距離が近すぎる
■マイクがスピーカーの正面にある
■話者以外の音声を、マイクが拾っている
■マイクの入力もしくはスピーカーの出力が大きすぎる

このように音が大きすぎたり、音の出る方向が向かい合っていたり、交差したりすること、スピーカーから出た音をマイクが意図せず拾ってしまう状況が出来上がると、ハウリングは起きやすくなります。

ハウリングを防ぐ方法とは?

非常に耳障りなハウリング。会議や講演、コンサートなどで発生すると、話者の声や歌が聞こえなくなるだけでなく、聞き手にも大きな不快感を与えてしまいます。

またさらに、あまりに大きいハウリングが起これば、スピーカーやマイクの故障を引き起こしてしまうことも。

こうしたハウリングは、マイクやスピーカーを正しく利用することである程度発生を抑えることができます。


【ハウリングを抑える正しい機材の使い方】

■マイクの使用本数は少なくする
■マイクを使う時はできるだけスピーカーから離れる
■マイクを使う時は、スピーカーの正面を向かない
■スピーカーの音量を上げすぎない
■マイクの頭(音を集める部分)を握らない

ハウリングの発生を抑制してくれるイコライザー

TOA:デュアルイコライザーE-232

マイクやスピーカーの正しいセッティングや利用に加えて、グラフィックイコライザーやFBS(Feed Back Suppressor)などの、オーディオ機器の機能によってもハウリングの発生は抑制できます。

グラフィックイコライザーは、音の周波数の特性を変えることができる装置で、ハウリングを起こす周波数をカットすることが可能。またFBSは、ハウリングを起こす周波数を検知し、これにフィルターをかけることで発生を防止してくれます。


オンライン会議などでも問題になるハウリング

オーディオ機器によるハウリングは、体育館やコンサートホールなど、大勢の人が集まる空間で起こりがちだと思われていますが、実は近年、ある場所で起こるハウリングが問題になっています。

それは、オンライン会議。

オンライン会議のシステムでは、卓上のマイクやパソコンのマイクで自分の音声を入力し、相手側のテレビモニターやパソコンのスピーカーから音を拡声します。

この時、拡声された音が大きすぎる場合などは、マイクがスピーカーからの音を拾い、それを相手型のスピーカーから流し…という、広い空間で起こるハウリングと同様の状況が作り出されてしまうのです。

オンライン会議システムでハウリングが起こった場合の対処法はとして考えられるのは以下の通り。

■マイクを口元に近づけ、スピーカーとの距離をとる
■スピーカーの音量を下げる
■同一の空間で2台以上のスピーカー・マイクを使用しない
■高性能のマイクやスピーカーを使用する

目には見えない「音の道」

私たちはマイクやスピーカーを使う際に、音の出どころや向かう先をあまり意識することはありません。しかし、音は空気や固体を介して伝わる振動ですので、目には見えなくとも、伝わり届ける「音の道」があるのです。ハウリングは、この音の道が交差したり、互いにぶつかってしまった結果起きてしまう現象です。

耳障りなハウリングですが、もし遭遇することがあったら、音の道がどこでループしているか、注意深く調べてみると、今までとは違う発見があるかもしれませんね。


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