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音がまったく響かない部屋で、クラッカーを鳴らしたら!?

私たちは暮らしの中でいろんな「音」に出会います。
自分の足音やドアを閉める音、水が流れる音…など、普段気にしていないものを含めて、音は私たちの周りにたくさんありますよね。
人の話す言葉としての音はもちろん、人やモノの立てる音で「あ、〇〇ちゃんが話しているな」とか「後ろから車が近づいているな」といったように、私たちはいろんなことを知ることができます。
ではこの音の響きがなくなってしまったら、私たちはどのように感じるのでしょうか。
今回はそんな音が響かない空間「無響室」に小中学生を特別ご招待!
「音が響かないってどういうこと?」を、実験を通して体験してもらいました。


音が響かないってどういうこと?

太鼓を叩いた後やギターを弾くと、太鼓の皮やギターの弦がふるえているのがわかります。実は、こうしたふるえ(振動)が音の発生源なんです。
人やモノが出した音は、空気を振動させて伝わり私たちの耳に届きます。
またこうした空気の振動は、壁や床・天井などに当たると跳ね返り、それが何度も繰り返されて”響き”をともなって私たちの耳に届きます。
だから、音が伝わる空気をなくしてしまえば音は聞こえなくなり、音が壁などに当たった時に跳ね返らないようにすれば、音の響きはなくなります。
例えば、空気の存在しない宇宙では、音はまったく聴こえません。
宇宙のように空気の存在しない空間をつくったり、その中に私たちが入ることはむずかしいのですが、音が跳ね返らない (=音の響きのない) 空間はつくり出すことができます。
このような空間は「無響室」と呼ばれていて、マイクやスピーカーをつくるTOAの研究開発に使われています。たとえば、マイクが狙った方向の音を拾えているか、スピーカーが低い音から高い音まで出せているか、など音の響きのない空間で商品の性能を測定しているんです。


無響室に入るとどうなるの?

無響室

2021年にTOAを「学習塾studioあお」の生徒さんが訪れてくれました。
実際に、無響室に入ったみんなは「音が響かない」ことを、いろんな実験を通して確かめてみることに。

無響室に入った瞬間「へんなかんじ!」「あの子の声が聞こえない!」とその変化に驚くみんな。思い思いに声を出しながら、いつもと違う聞こえ方に首を傾げています。

無響室での最初の実験は、パーティーなどで使うクラッカーを鳴らすこと。普段ならとても大きな音が出るクラッカーですが、子どもたちが恐る恐る紐を引っ張ると。「ぱっ」と、気の抜けた音しか出てきません。
音の響かない空間では、クラッカーの音は壁や床に当たって跳ね返らないので小さな音にしか感じないのです。みんな「ほんとの音はこれだけなんだ」と拍子抜けした様子です。

次は、電気を消して真っ暗闇にして、みんな声を立てずに床に横になります。
音の全くない空間、は頭がキーンと鳴るような感じで、ちょっと不安になってきます。しばらくすると「どっくんどっくん」と自分の心臓の音が体に響いてきました。誰も音を出さず、響きもしない部屋では自分の心臓の音も聞こえてしまうんです。

そして最後は輪唱、みんな壁の吸音材に向かって「カエルの歌」を歌ってみます。音の跳ね返りによる自然な響きがない状態では、なんだか気持ちよく歌うことができません。
ここでも「なんかいつもと違う!」「遠くにいる人の声みたいに聞こえる」と、無響室の不思議を体験しました。

糸電話にもチャレンジ!


音が響くって、大切なんだ。

私たちは五感を通じて、自分をとりまく世界に触れています。目で色や光を感じたり、鼻で匂いを感じたり、手や肌で物の形や硬さを感じています。そして、耳で音を感じることで、自分の周りの状況を確かめているのです。
普段は気にとめていない音の響きや跳ね返りなどの性質が、私たちに何を教えてくれるのか、無響室に入ったみんなは体験を通してその大切さを学びました。


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